<本チラシコメントより>
意外性に富んだ筋運びに夢中になるうち、いつの間にか登場人物に感情移入して、一緒に泣いたり笑ったり怒ったりする。そんな楽しみ方が演劇鑑賞のスタンダードになっているのだとしたら、今回の公演を観て、面食らい、戸惑う人も少なくないかもしれない。
ここ何年かのナイロンでやってきたこととは明らかに異質の表現を目指すことになるだろうし、それが現在の我が国の演劇界の潮流からは大きくはずれるのはまず間違いないから、気が進まぬところを無理してまで来て頂くこともないけれど、我々が「世田谷カフカ」でやろうとしていることは、さして特別なことではない。 たとえマイノリティではあったとしても、これもまた、エンターテイメントの、ごく当たり前のスタイルだと信じたい。大切にする要素がいつもとはちょっと違うだけだ。文学界にあって、フランツ・カフカの小説がそうであるように。
手掛かりはカフカが未完のまま遺した三編の長編小説。舞台は東京都世田谷区。
久しぶりに解放されてみようと思う。
主宰ケラリーノ・サンドロヴィッチ
|
|
|